古来、おせちは願いを込めて 歳神様に祈りを捧げる縁起物

中井

もともとおせちは、歳神様にその年の家族の健康や幸せを祈願する行事食です。
欠かせないのが〈祝い肴三種〉。黒豆はマメに働けますように、田作は豊作、数の子は子孫繁栄の願いを込めた縁起物なんですね。

中村

なるほど。私は関西出身ですが、関東と関西では、おせちの内容が違いますよね？

中井

はい、〈祝い肴三種〉も関西では田作ではなく、たたきごぼうです。「しっかり土に根付いて幸せになるように」との願いが込められているんですよ。

どんどん食べたくなる 作り手の思いが詰まったおせち

中井

当社のおせちには作り手の思いとこだわりが詰まっていて、例えば蒲鉾の「新川」は、市場で仕入れた魚をすり身にするところから作っています。ご試食いかがですか？

中村

いただきます。わあ、「新川」は自然な甘みがあって、この食感が絶妙です。形も藁で巻いたような跡が可愛くて映えそうですね。

中井

ありがとうございます。よかったら、他もご試食をどうぞ。

中村

「栗きんとん」は、餡が口の中ですっととろけるほど柔らかいです。
「かきオリーブ漬け」も味にハーブの奥行きがあって、ワインに合いそう。
購入されたお客様から「残さず食べ切れるおせち」と言われるのも納得できます。

中井

嬉しいです。全国のメーカー様を巡り逸品を集めた甲斐があります。

「詰める」から「盛る」へ トレンドに合うおせちの楽しみ方

中井

核家族化などでお正月の器も多様化していますよね。

中村

そうですね。お重に「詰める」のも良いですが、最近はひとつの器におせちを「盛る」ワンプレートスタイルも人気ですね。

中井

でも、おせちをワンプレートに盛るのって難しそうです。

中村

お花を生ける感覚に近いかもしれませんね。器に合わせて、彩りを見ながら、ちょっとずつ、「この辺かな？」と思いながら、自分好みにアレンジして盛りつけするのも楽しいですよね。

中井

とっても素敵です。なるほど、お花を生けるように盛り付けるなんて、楽しそうですね。

中村

また、お正月の器は一年の中でも大人気で、可愛いものがいっぱいあります。
この季節ならではの遊び心を、食卓に自分らしく取り入れたいお客様が多くいらっしゃいますね。
フォーグレースのコンセプトは「わたしをもてなそう」なんですが、自分自身をもてなして気分を上げてこそ、周りの方々が楽しんでくださるのではないかと思うんです。

中井

おせちも、まずは自分らしく、我が家らしく盛り付けて楽しむことが大事なんですね。

中村

その点でも、「数寄のおせち」「金のおせち」は個包装パックで送られてくるので、自分好みのアレンジを楽しむのにぴったりだと思います。

器のプロ中村さんとおせちマイスター中井の話はさらに盛り上がります。その模様は今後3回に分けて連載しますのでお楽しみに。